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中村照男の切り絵アート 信州野鳥の会

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 中村照男さんの美しい野鳥の切り絵はどのように制作されているのでしょう?



この繊細なカワセミの切り絵を例にとり、制作過程を順を追ってご紹介していきます。

(編集の都合上、一部別の切り絵の図版もあります。)

最後に中村照男さんへの切り絵に関するインタビューも掲載しました。

 1.野鳥の写真をもとに構図を決める



フォトショップを使って、野鳥の写真を切り絵の原図として加工していきます。付け足したり消したりします。

主に自分で撮影した野鳥の写真を使いますが、切りたい野鳥の写真がない場合は、フリー素材を参考にすること

もあります。

今はフォトショップを使っていますが、最初のころは写真に升目を入れてそれを書き写していました。



 2.絵に書き起こす

フォトショップで加工した写真をiPadのアップルペンシル(非常に便利)を使って絵に書き起こしていきます。

お絵描きソフトはプロクリエイトを使っています。




 3.絵を表側が黒い紙に印刷する

版画用水性インクで表側を黒くべた塗りにした紙の裏側に、書き起こした絵を印刷します。

プリントした裏側から切っていくので、できあがりは左右反転します。



切る表側は真っ黒に印刷すると刃先が見えにくいのと、インクの節約のために、濃いグレーで印刷しています。



この絵の黒い部分を切り残すように切っていきます。黒い部分は必ずどこかとつながるように描いていて、

切り終わった後すべてつながるようになっています。  


 4.絵を切る


カワセミの絵を切っていく過程です。 

  

  



切り終わりました。黒い部分はすべてどこかとつながっています。 

 5.切り絵に色付けをする

以前は完成した切り絵をパソコンに取り込んでフォトショップで色付けしていましたが、最近はアイパッドと

アップルペンシル(プロクリエイト)を使って、色付けもやっています。



切り絵の紙の表側を黒く塗るのが間に合わない時には、白い紙を切って、後で黒く塗ることもありますが、

インクの粘りで破れるときもあります。




 切り絵制作ツールの紹介


切り絵を作るためのツールと作業場所を紹介します。 









切り絵を制作中の中村照男さんです。この制作場所は、な・ん・と・車の中なんですよ!

車の中を制作場所とすることで、仕事での外出先でも切り絵を作成することができます。

あの繊細で美しい切り絵は、車の中で作られているんですね~



 中村照男さんへのインタビュー

皆さんが中村さんの切り絵について知りたいと思われることをお聞きしてみました。


Q1.  切り絵を始められたのはいつからですか?

A1.  1995年8月のライチョウが初めてだと思いますが、今見るとひどいものです。

Q2.   始められたきっかけは何ですか?

A2.  植松さんの「会報の表紙が寂しい」の一言です。作り置きの版画でやり始めたのですが、版画だと
    
    時間が掛かるので切り絵にしました。

    (注:植松さんとは、信州野鳥の会の現会長の植松晃岳さんです。毎月会員向けに発行されている

       信州野鳥の会の会報”はばたき”は、表紙が中村さんの素敵な切り絵で飾られています。)

Q3.   切り絵に使うカッターナイフは市販品ですか?手作りですか?

A3.   市販品です。

Q4.   もとになる写真はぜんぶご自身で撮影されたものですか?

A4.  ほとんど自分で撮影したものですが、 何枚かは写真が無くてフリー素材を参考にしています。

Q5.   構図決めから完成までどのくらい時間がかかりますか?

A5.  以前は1日で仕上げていましたが、最近は3~4日掛かります。

Q6.   複雑な鳥の羽模様とともに、周りの自然の繊細な表現にもいつも感銘をうけていますが、一番苦労される
  
    のはどんなところですか?

A6.  大抵は背景が良く写っていないので、別に背景を持ってきてそれらしく見せる事です。

Q7.   これから切ってみたい鳥は何でしょうか?

A7.  特にないですが、最近は3度目4度目でも構わなくなったので楽になりました。

Q8.   絵葉書になっている切り絵があるそうですが、どこかで購入できますか?

A8.  上高地の明神館さんで売ってもらっています。他にもお世話になった所にはあげているので、

    売っているかもしれません。



中村さん、ありがとうございました。

これからも野鳥の美しさと生き生きとした生態が伝わってくる素敵な切り絵を楽しみにしています!



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